最初に石橋英子さんと出会ったのは、今回のしゃけ音楽会にも出演する七尾旅人さんのライブ「歌の事故」でした。2008年に札幌のほくせんギャラリー ivoryで行われたそのライブにゲストで参加されていたのがとても良く、そこからどっぷりと聴き始め、札幌に来るときはもちろん東京や福岡のライブにも足を運んだり、劇団「マームとジプシー」の公演の音楽CDなどもチェックしたりしていました。映画「ドライブ・マイ・カー」の音楽を石橋英子さんが担当するというのを聞き、映画CMを観てワクワクしながらシアターキノに観にも行きました。
ジム・オルークさんも、札幌へさまざまな形態でライブに来ていて、最近ではモエレ沼公園 ガラスのピラミッドで行われた大友良英さん、Sachik・Mさんとのライブでは、3人がそれぞれの位置から即興演奏をするという、建物内の反響音を含め他では味わえない内容でした。
おふたりの活動としては、2022年のフジロックでの石橋英子さんのバンド編成でのライブが素晴らしく、バンドメンバーにジム・オルークさんが参加しているのですが、現地で観ていてずっと余韻の消えないライブであったり、2021年に静岡のFESTIVAL de FRUEで見たカフカ鼾(Jim O’Rourke×石橋英子×山本達久)が、会場全体が作り出すエネルギーとともに、FRUEというフェス自体を体験できたこととあわせて、とても印象深いライブでした。
ずっといちファンとしておふたりの音楽をとても好きだということは大前提ですが、今回オファーさせていただいた理由は単純にそれだけではなく、しゃけ音楽会の明確なカラーやブレない軸になるようなアーティストに出演してもらいたかった、という想いからでした。
ノリノリで踊って楽しむような音楽ではないかもしれませんが、あの音が鳴っている空間を作りたかった。
発表後の反響に特に期待はしていなかったのですが、いろいろな方からまずこのふたりの名前が挙がることが多く、正直なところそれが意外で、嬉しくもありました。
札幌での2人のみの編成は、2011年にSPIRITUAL LOUNGE(2021年に閉店)での超満員のライブ以来かと思います。
ずっと待っていたという方はもちろん、まだ観たことがない方にも、ぜひ体験してほしいです。
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Photo by asako yoshikawa / 繁野潤哉 / minaco.